035 みんなでVPシャント術⑨ パッサー登場

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ついにパッサーが登場しました。VPシャント術で一番描きたかったポイントにようやくたどり着きました。ひとつひとつ解説していきます。

まず1コマ目です。多くの方が「鼻と口」の絵に見えてしまうでしょうが、右耳とそのすぐ後ろの傷口を描いたつもりです。耳を前の方につぶして餃子みたいにした状態で敷布で覆っているところです。 画力不足で大変申し訳ありません。耳の後ろあたりの皮膚を切開して皮膚の下を掘り、皮下ポケットと呼ばれる空間を作ります。最終的にそこにシャントバルブが収まります(皮下ポケットをバーホールのすぐ傍に作るやり方もあります)。

2コマ目で出てきた「皮下トンネル」は、シャントのチューブが通過するための空間です。皮下脂肪のすぐ下あたりの層に作ります。パッサーという長い棒状の器具を傷口から突っ込み、皮膚の下をぐりぐりと進めていきます。パッサーの先端が次の傷口から飛び出してきたら、パッサーの内部の針金を引きぬきます。これにより、皮膚の下にはパッサーの外側の筒の部分だけが残ります。次にその筒の中にシャントチューブを通し、最後にパッサーの筒を引きぬきます。 これによって皮下トンネルの中にシャントチューブだけが残ることになります。

言葉だけではわかりにくいので下に解説の4コマを描いています。かなり手抜きの汚い絵ですみません。他にも、もう少し短いパッサーもありますし、裁縫で使う「ひも通し」のような平べったい形のパッサーもあります。

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※術創やパッサーやシャントチューブの縮尺はテキトーですのでご容赦下さい。
とにかくパッサーで皮下トンネルを掘る作業はなかなか野蛮です。次回以降で描きますが、かなりの力仕事です。「また凶器」のくだりが意味不明という方は第6話をご参照ください。