036 みんなでVPシャント術⑩ 皮下トンネル作成

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※3コマ目「内筒」は正式な名前ではありません。そもそもパッサーの中身は筒じゃなくて太めの針金ですし。でもみんな内筒とかスタイレットとか呼んでるのでそのまま書きました。「外筒」についてもたぶん正式名称ではないと思います。だれか正式名称を知ってる方いたら教えてください…。

更新間隔が空いてしまい申し訳ありません。
メッセージ頂いた方々ありがとうございました。

VPシャント術では、パッサーで皮膚の下をグリグリっと掘り進んで皮下トンネルと呼ばれる通路を作ります。ひとつの傷から次の傷までトンネルが開通したら、金属製の外筒だけを残して中身を引きぬきます。そこにシャントチューブを通して、最後に外筒だけを抜くという手順を2~3回繰り返します。

子供の皮膚は軟らかいので余裕なんですが、ご高齢の方の皮膚は硬いのでなかなかパッサーが通りません。かなりの力でグリグリやらないと通らないこともあります。一般の方がイメージする脳外科手術=繊細で精密なミリ単位のオペ、という感じでしょうが、シャント手術のパッサーの工程はかなり乱暴です。しかしあんまり適当に勢いよくやると、途中にある重要な器官(例えば頚動脈、頚静脈や肺など)を傷つける危険性があるので要注意です。

パッサーの先端を皮膚ごしに左手で触りながら進めていくとわりと安全です。特に鎖骨はその下にもぐると肺にグサッと刺さるので重要なポイントです。