遅ればせながら皆様あけましておめでとうございます。本編も若干テンション高めになってきました。
瞳孔不同(どうこうふどう、anisocoria)は神経系の異常な所見の中でも最もメジャーなもののひとつです。脳の疾患や意識障害の急患でこの所見が出てきたらいよいよすぐそこに死が迫っている状態といえます。詳しくはまた次回でも書きますが、脳ヘルニアの一種である鉤ヘルニアになっていることを示します。
(※前々回の記事にも書きましたが、白内障や緑内障の手術後の方はピンピンしていても瞳孔サイズの左右差があったりしますので誤解なさらぬようお願いします)。
急性硬膜下血腫などの頭の内部の出血の場合、病院に搬送されてきて一旦落ち着いていた患者さんであっても、どこかの時点で急激に状態が悪くなることがあります。特に急性硬膜外血腫(※「下」じゃなくて「外」)の患者さんは病院到着時に意識がはっきりしていて後で急激に悪化するパターンが多いことで有名です。
基本的に頭蓋内出血の場合はどんな患者さんでも急いで処置などを進めていきますが、それでも間に合わない患者さんもいたりしてなかなか難しいものです。はたして本編中の患者さんは間に合うのか…今後の展開にご期待ください。
それでは皆様、今年も「のうげかなう。」をよろしくお願いいたします。