094 急性硬膜下血腫11 必要最低限

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joy.net支店に第11回を掲載していただきました。いつもより多めに描いていますので是非よんでみてください。

 4コマに描いた通りです。手術前に患者さんやその家族に脳外科医が最も伝えておきたいことーーーそれは後遺症の話と、手術をしても助からない可能性についての話です。

 手術がもとになって起こる病気や症状、後遺症などを手術の合併症と呼びます。脳外科に限らず、手術をすれば何らかの予期せぬ合併症が起こる可能性は完全に0%にはできません。また、手術前からあった症状などが改善しないこともありますし、最悪の場合手術中や手術後に亡くなることだってあります。

 手術に関するそういった「負の側面」は必ず患者さんや家族に伝えなければなりません。一昔前なら笑顔で「全力を尽くします!大丈夫ですよ!任せといてください!」みたいな説明もまかり通っていたようですが、医療訴訟の可能性が常に付きまとう現代においては事前にリスクを伝えることが非常に重要です(※超緊急の場合は除く)。

 何かよからぬ事が起こってから「こんなハズじゃなかった!」「こんな風になるなんて聞いてない!」と責め立てられてはたまらないので、「色々なリスクについては充分に説明した。それらを理解した上で患者や家族が自分から手術を希望したのだ」という形でなければ医者側も手術を引き受けられないのです。

 したがって、術前の説明や説明書・同意者は患者さんや家族を怖がらせる内容になりがちです。本来なら術前に患者さん側の不安を取り除いてあげたい気持ちも皆もっているはずですが………世知辛い世の中ですね。

※本編については今回から少し更新のやり方を変え、4コマずつ描きあがり次第アップしていきます。今回の第94話も16コマで1話分なのですが、16コマ全部仕上げてからアップする方式では作画と仕事のペース配分がつかみづらいので…。
 テンポが悪くなり読みづらく感じる方も多いでしょうが申し訳ありません。7月末には16コマ全部上がっていると思いますので、まとめて読みたい方はその頃にお願いいたします。
→7月22日に16コマ完了しました。