053 はじめての開頭手術7 側頭筋とモノポーラ

4panel053-1はじめての開頭手術⑦-1
4panel053-2はじめての開頭手術⑦-2
 
 なんでここで!?っていうタイミングでお腹がなることってありますよね。ここに描いたような序盤ではないですが、私も長時間の手術の後半になってくると空腹でお腹がなることがちょくちょくあります。まあ大体なんかの音にまぎれて気づかれてない(はず)ですが。
 
 頭蓋骨の側面には側頭筋という筋肉が付いており、この筋肉は食べ物を噛む時などに使われます。この辺りの開頭を行う際には、側頭筋の一部をめくり返して骨を露出させなければなりません。このように何かを引き剥がす操作を「剥離(はくり)」とよびます。

 モノポーラ(「電メス」、「ボビー」などとも呼ばれます)で焼きながら側頭筋を剥離していくのですが、肉がやけコゲるので当然クサイ臭いがします。

 私もコゲ臭いなあと思いながらモノポーラを使ってますが、とある先輩とオペに入っていた際、「何か今日これウマそうなニオイがすんなあ…焼肉食いてえなあ」とその先輩が言い出して軽くヒイた経験があります。おそらく空腹と疲労でちょっと感覚がおかしくなっていたのでしょうが…。 

 煙についてはやや描写がオーバーかもしれません。普通は助手がモノポーラの近くで吸引管を使って煙を吸引除去していますので、ここまでモクモクと煙が立ち上ることはありません。ただし作中のように吸引をし忘れていると結構煙が出ます。