シーツ交換は結構な負担ですから、こういう事を繰り返すとけっこう看護師さんに嫌われます。
以前の記事でも説明しましたが、慢性硬膜下血腫のドレーンを抜いた後は、皮膚に5mm程度の穴が空いた状態になります。ドレーンを抜いた瞬間、頭の中に残っていた血腫や髄液がこの穴から漏れ出してきます。なのでドレーンを抜いたらすぐに穴を縫合して閉じるわけですが、どうしても少し頭の下の方まで垂れてしまうことがあります。
ベッドのシーツが血で汚れるとシーツ交換をしなければならなくなるので、処置の際は患者さんの頭の下に処置用のシート(ペット用のトイレシートみたいなやつ)を敷いておいた方が無難です。
※いくつか質問をいただいていたのでまとめて解答いたします。
・登場人物の名前、モデル等…実際にあった話をベースに描いてはいますが、キャラの名前や容姿や性格は架空のものです。主要な人物の名前は歴史的に有名な脳外科医の名前をもじっていたりもしますが。
・脳外科では何年目くらいまでが「新人」なのか…入局1~2年目(卒後3~4年目)くらいまででしょうか。医局や施設によっても違うとは思いますが。特に、どのレベルの手術を何年目くらいでさせるかは施設ごとにかなり差があります。
※現役の脳外科看護師さんからご指摘をいただきました。
「この場合、シーツが汚れたのは看護師さんがちゃんと準備していないからだ」というご意見をいただきました。私は実際この状況で看護師さんに怒られて反省していましたが……。たしかにそういう視点もありますね。いずれにせよ、関わるスタッフ全員が心配りしておくべき事なんでしょうね。