014 慢性硬膜下血腫の手術のまとめと補足説明

4panel014慢性硬膜下血腫手術のまとめと補足ver2

 はじめて慢性硬膜下血腫の手術をした際は、手術前後の説明も自分でさせてもらいました。もちろんどんな説明をしたかのチェックは受けましたが。

 「ドレーンはどこをどんな風に通るんですか?」とか「手術のあと、頭蓋骨の穴(バーホール)はどうなるんですか?」といった細かい部分の質問をよく頂きます。

 慢性硬膜下血腫の手術(穿頭血腫除去術)では硬膜下腔というスペースに溜まった血液を排出するために硬膜下ドレーンという管を頭の中に差し込みます。この際、当初の術創の近くの皮膚を5mm程度切開します。ペアンという鉗子をその小さな傷からグリグリっと突っ込み、ドレーンの根元側をつかんで引きぬきます。これでドレーンが皮膚を貫通します。さらに皮膚に縫い付けた糸でドレーンを固定し、誤って抜けてしまわないようにしておきます。

 バーホールキャップは骨に似た成分のセラミックでできた蓋です。蓋に小さな切れ込みが入っていて、そこをドレーンが通過します。この蓋は手術後もずっと頭の中に入れたままです。

 だいたい1回の手術で9割くらいの方が治りますが、約1割の方は再び血腫が溜まってきて手術が必要になります。

 解説をひとまとめにした図を追加で描きましたので載せておきます↓(2018/01/27)。
慢性硬膜下血腫穿頭の図