003 手術のチャンスは突然に

4panel003チャンスは突然にver3

 こんな風に、若手脳外科医の手術の機会は突然に回ってくる事が多いです。若手が術者(=執刀医)をさせてもらえるレベルの手術は緊急でやるものが比較的多い(開頭血腫除去術、穿頭血腫除去術、減圧開頭術、脳室ドレナージ術、頭蓋骨骨折整復術などなど)ことが主な理由と思われます。
 しかし予定を組んで行う定例手術であっても、執刀直前になって「今日はお前がやってみるか」と急に執刀医のチャンスをもらえることがあります。気まぐれなのか、その先生の意地悪なのか……しかしそこでうろたえていると「やる気のないヤツ or 勉強してないヤツ」と思われてしまうので、「ありがとうございます!やります!」とか即答せざるを得ません。
 他にも色々な事情(結構えげつない理由もあったりします)があり、結局、「お前に1週間後に〇〇の手術をさせるからしっかり勉強しとけよー」などと事前に知らせてもらえることの方が少ないです。ということで、自分に機会が回ってくる可能性のある手術についてはあらかじめ勉強しておく必要があります。上級医がつきっきりで指導しながら手術をしますので患者さんに危険が及ぶことはまずありませんが、不勉強な状態で手術に臨むと手術中でも容赦なく術者から外されてしまいます。
 私自身、初めての手術は急に指名されて非常に焦り、手術までの短時間で急いで手術書や先輩が書いた過去のオペレコ(手術記録)を読みまくって何とか乗り切りました……。

次回からしばらく手術について描いていきます。