084 急性硬膜下血腫1 きちゃいました

4panel084急性硬膜下血腫1

 またもや長編に突入です。辛抱強くおつきあい頂ければ幸いです。

 急性硬膜下血腫は頭を強くぶつけた際に脳の表面(硬膜のすぐ下にある硬膜下腔)に出血した状態のことです。2コマ目のCT画像の白い三日月状の部分が血の塊です。

 出血量が少なく症状も殆どない場合はそのまま様子をみます。頭の中の出血も体にできる内出血と同様、1ヶ月も経てば普通は消えていきます(消えずに残ったものが慢性硬膜下血腫です)。

 出血量がある程度たくさんあり、症状がまあまあ重症である場合は生命に危険がおよぶ事があるので手術をして血の塊を取り除きます。

 JCSは意識障害を評価するための指標であるJapan Coma Scaleの略です。軽症の方から順にJCS-1, 2, 3, 10, 20, 30, 100, 200, 300と9段階で評価します。JCS-300は深い昏睡状態であり、助かる可能性が非常に低い状態です(絶対ではありませんが)。

 右片麻痺(みぎかたまひorみぎへんまひ)は右半身の力が抜け、麻痺した状態です。

 4コマ目についてですが、今回の話のように他の科の先生から相談された場合、手術の決断を下す前に念のため自分自身で再度一通り診察しておくべきです(よほど急がないとヤバい患者は別ですが)。専門外の先生だと症状の評価を間違えていることもありますし、前の先生が診察した時とは患者の状態が変化していることもありますので、しっかり自分の眼でみることが大事です。