028 みんなでVPシャント術② これからですよ


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 手術室に患者さんを搬入する際は、ふつう医師と看護師(+家族)が付き添います。患者さんは車椅子または徒歩で手術室に入っていきます。手術部の入り口の辺りで引き継ぎをしたら、医師は手術着に着替えて手術室に入ります。病棟看護師は病棟に帰り、手術部の看護師は手術部の入り口から個別の手術室まで患者さんを連れて行きます。

 特発性正常圧水頭症(iNPH)は前回説明した水頭症の中でも、ハッキリとした原因疾患(出血や腫瘍や感染症など)の存在しない水頭症です。「特発性」という言葉は「原因がハッキリしない」といった意味です。脳室が拡大して髄液が過剰に溜まっている状態ですが、頭蓋骨内部の圧力は上昇しないので「正常圧」という枕詞もついています。

 この病気にかかると歩行が小刻みになり、方向転換の際にバランスを崩す方が多いです。認知症も比較的よくみられます。尿失禁が出る方もいます。典型的なiNPHであればVPシャント術やLPシャント術でよくなることが多く、「治る認知症」とかいって時々テレビで特集されたりします。とは言っても「認知症」全体の中でiNPHの方は数%しかいないとされています。アルツハイマー病なんかに比べるとかなり稀な「認知症」です。