029 みんなでVPシャント術③ シャントバルブ

4panel029みんなでVPシャント術③ver2

 VPシャントやLPシャントのシステムには、チューブの途中にシャントバルブというものが付いています。このバルブが「どのくらいの量の髄液をシャント経由でお腹の方に流すのか」を決めています。

 バルブの圧設定をいつでも変えることのできる「圧可変式バルブ」と、ずっと同じ圧設定で流す「固定式差圧バルブ」の主に2種類があります。圧可変式バルブは、手術の後でも皮膚の上から専用の器械を当てればいつでも圧設定が変えられるという利点があります。しかしMRIなどの強い磁力が加わると圧設定が狂ってしまう(設定のやり直しが必要)というデメリットがあります。固定式はそういったデメリットはなく、故障も少ないのですが、術後に流量の調節ができません。

 シャントの圧設定はなかなか重要で、髄液をお腹に流しすぎると脳の髄液が不足してしまい、頭痛が生じます。最悪の場合、頭蓋骨内部に出血が起こります。かといって流量が足りなければ症状も良くなりません。最近は圧可変式の方がよく用いられるようです。

 私がいる施設では圧の設定後にレントゲンを撮影して正しく設定できているか確認していますが、最近はそういった手間も要らない器械も出てきています。