やりきれるのかっ!
少し間隔が空いてしまいましたが8コマ一気に更新です。
落ち着いて手術に集中できているときは次にやる手順を淡々と思い浮かべることができます。
想定外の出血とかが起こったりするとそうはいきません。
慣れていないうちはついつい皮膚切開部からの出血を細かいものまで電気メスやバイポーラで焼きまくってしまいがちです。しかしこれをやると結構時間を消費してしまいます。頭皮にある浅側頭動脈(せんそくとうどうみゃく)という血管の枝くらいは焼いておいた方がよいですが、ほとんどの出血は頭皮クリップで止まります。
また、あまり皮膚断面を焼くと術後に傷がくっつきにくいという意見の先生も多いです(実際私もそう習いました)。たしかに言われてみるとそんな気もしますね。
しかし、実際に電気メスで皮膚を切開した場合と普通のメスで皮膚を切開した場合では創離開(傷が開くこと)や創感染のリスクはそんなに変わらなかったという報告も多いです※。
※いちおう参考文献のせます
Sheikh B Br J Neurosurg. 2004 Jun;18(3):268-72.
Charoenkwan et al. Cochrane Database Syst Rev. 2017 Jun 14;6
Franchi et al. Am J Surg. 2001 Feb;181(2):128-32.
などなど