前話の裏番組的なエピソードいうことで……。
医者用の求人情報サイトはいくつもあります。そしてなかなか良い条件の求人がたくさんあります。僻地や寒冷地になると「マジかよ！？」と言いたくなるくらいの高収入のものもあります。
都市部の大規模な公的病院は待遇面では最下層であることが多いです。まあ部長クラスになれば違うのかもしれませんが…。中でも大学病院は最悪です。
しかし脳外科に限らず多くの専門医資格は一定の基準を満たした病院で数年間以上経験を積んでいないと取得できません。若手の間は特に、高待遇の求人に釣られてポンポン転職するのは自殺行為ともいえます。
２０１６年現在脳神経外科に関して言えば、基幹施設（ほとんどが大学病院です） を中心に複数の研修病院が連携した研修プログラム（病院群）を作っていて、２年間の初期研修後にそれらの病院で４年間以上研修しなければ専門医試験を受験できません。
さらに基幹施設や研修病院として認められるためには指導医の数や症例数、症例検討会の開催などクリアしなければならない条件が多く、必然的にそれらはある程度規模の大きな公的病院ばかりになります。
脳外科以外の専門医資格も取得に際してそのような制約があるものが多いですし、現在緩い制度をとっている診療科も今後は厳しいシステムに変更されていくようです。若い内はキツくても色々たくさん経験しないとダメよー、ということですね。
とは言え、ブラック企業レベルの労働環境で耐えている時に高待遇の求人情報を見るのは精神的に結構来るものがあります。